あれは確か小学生のころ。
児童向けの怖い話を集めた本の中に、海外のとある国では日が沈んだ後も外に干しっぱなしにしていた洗濯物には「良くないもの」が取りつくと信じられている…
というような記述がありました。
どこの国だったかはすっかり忘れてしまったのですが、なぜかこの内容だけが20年以上経った現在も私の記憶に強烈に残っていて、うっかり休日夜まで洗濯物を干しっぱなしにしたときには「しまった!」と思ってしまいます。
そういうとき、洗濯物を取り込むために窓を開ける瞬間はなんだか妙に緊張して、別に何があるわけでもないとわかっているのに少し心拍数が上がるような気さえします。
ついさっきも、その「うっかり」でようやく洗濯物を取り込んだのですが。
もちろん、今回も何もありはしませんでした。
今でこそホラー映画…それもエクソシストのような悪魔などが題材になっている作品を好んでみる私なので、洗濯物をよけたその先に何かいたらどうしよう、などと一瞬空想してしまうからこその妙なドキドキなのだと自覚もありつつ、やっぱり怖いものは怖くて。
幼少期に読んだその洗濯物のページには、しっかりホラーテイスト(それでも幼児向けなので今ぼんやり思い出してもそこまで怖くはない)の挿絵があり、
正直当時の私の目から見ても「コワ!」という印象はなかった気がします。
それでも、なぜかその内容が脳裏にしっかり焼き付いて離れないのが我ながら不思議で。
そのうちフッと忘れるときが来るのかもしれませんが、時々この「うっかり」をするたびに思い出して一人ぞわぞわするのです。